Seitoku University Graduate School 「児童学」が目指す子どもの「多様性」と「全体性」の理解を深めるため、保育学をベースに、子どもの発達を科学的観点から捉える専門的力量と研究的資質の向上を図ります。社会が子どもをどう捉えているのか(子ども観)、社会が子育てをどう捉えているのか(保育観)、保育を巡る制度・政策はどのように変わってきたのか(保育史)、子どもの成長に保育者はどうかかわるのか(幼児教育)など、乳幼児期からの保育・教育の研究、親子の発達支援および社会における子育て支援の研究、保幼小連携の研究、保育者の資質向上の研究などを行います。これまでのキャリアで学んだ知識・経験をもとに専門的な研究を深め、時代が求める保育者、さらには研究者としての資質能力を高めていただきたいと思います。児童教育学では教育学をはじめ、社会学や教育史学、保健学、福祉学など、さまざまな分野の学問や知識・技術を活用する学際的なアプローチにより、子どもを取り巻く事象についての研究を進めていきます。そこで大切にしてほしいのが、職業体験から生まれた問題意識です。私たち教員は、保育・教育の現場で中心的な役割をされる方、人材養成の場で活躍される方たちが実践を深めるため、客観的な視点を踏まえた研究ができるよう指導していきます。どうすればその研究が貢献できるものになるか、そのためには何が不足しているかなど、学びを深め、掘り下げることで指導力を高め、現場を支える理論を導き出せるように尽力します。私たちは、志を抱いて学ぶ方のために、全力でサポートしていきます。▶大学院進学を目指すあなたへ!これまでの経験から捉えた問題意識を大事にしてください。教育課題が多様化・複雑化していく中で、これらの問題について研究することで、実践と理論の往還により教育を客観的な視点で俯瞰できるようになると思います。児童心理学は子どもの心身の発達を扱う学問領域です。子どもが年齢とともにどう発達するのか、また、そこにどのような個人差があり、どのような要因が関係しているのかを探究していきます。初めて心理学を学ぶ方でも、人の心に関心があれば、現場で子どもを支援できるような知識や技能を獲得することが可能です。具体的には、基礎となる発達心理学以外にも、臨床心理学、教育心理学、障害児心理学、学校カウンセリング心理学、学校心理学など、子どもの発達を支援するうえで欠かせない科目を修得できます。これらの科目は教育現場での実践に役立つのみならず、履修することで学校心理士が取得でき、修了後には学校現場でカウンセラーとして活躍することも可能です。▶大学院進学を目指すあなたへ!学びに年齢は関係ありません。将来、現場の経験を活かして保育者や教員の養成に関わりたいと思っている方は、論文執筆力を身につけて博士後期課程に進むことも可能です。なりたいものがあれば、ぜひ行動に移してください。▶大学院進学を目指すあなたへ!修士論文を完成させることを目的とするのではなく、研究の成果がいかに現状の保育実践の困難性を打開し、子どもたちの未来を切り拓く展望を持ちうるかを常に意識しながら学習・研究に臨んでいただきたいと思います。05■保育学保育・教育から社会と子どもとのかかわりまで幅広く学び、研究を深める。教授 奥村 典子■児童教育学児童学分野の多様な学問を統合して学び、現場体験を学問的に意味づける。教授 森 貞美■児童心理学研究のみならず、現場で実践できる知識や技能の獲得も可能になる学び。教授 相良 順子5領域の学び 教員からのメッセージ「5つの視点」による学びが、キャリアアップにつながります。本研究科は、通学制の児童学研究科を基礎として、それと同等の高度な研究と教育を行っています。「保育学」「児童教育学」「児童心理学」「児童福祉・保健学」「児童文化学」の5領域編成で、より深く、より広範な学びを提供しています。5領域の基礎論により、各領域の基本問題やその研究方法を代表事例に即して解説。他領域との連携した学びで、児童学を総合的に捉えることができます。今日の児童問題を幅広く展望することの必要性と、児童学研究科の全容を理解したうえで、キャリアアップにつながる研究領域を決められます。
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